【ネタバレあり】映画『夏目友人帳 うつせみに結ぶ』感想:

昔日本には八百万の神がいると信じられてきました。

それこそ今では妖と呼ばれているようなものもたくさん––––

 

今回はそんな妖たちとヒトとの交流を描いた作品です。

「夏目友人帳」のアニメ劇場版のネタバレと感想をご紹介いたします。

まずはこれまでのお話の振り返り。

※必要ない方は読み飛ばしてください。

主人公の夏目貴志は幼い頃から妖が見えていました。

あまりにも普通に見えてしまうので、ヒトと勘違いして声をかけたり

襲われたりすることもしばしば。

 

両親も早くに亡くなったことも合わさって、親戚筋を転々とし

ヒトとの交流だったり愛情には縁遠い生活を送っていました。

そんな夏目も今は遠い親戚の藤原夫妻のもと、穏やかな日々を過ごしていました。

 

そんな中、夏目は友人帳を狙ってきたニャンコ先生と出会います。

ニャンコ先生から、祖母であるレイコが妖に勝負を挑み

負かした相手の名前を書き連ねた友人帳なるものを

作っていたことを教えられるのです。

 

その友人帳は妖の名前を預かっているので、

それを使えばそこに名を連ねている妖たちを

支配することもできる代物。

 

ところが夏目は名前を妖たちに返して行くことを選びます。

ニャンコ先生は夏目が死んだら友人帳をもらう、という約束で夏目の用心棒となります。

友人帳を狙う妖は追い返し、返還を求める妖には応じてやりと

ドタバタ忙しいながらも充実した毎日を送っていました。

 

妖たちだけではなく、ヒトも含めて、

やさしさや寂しさ、あたたかさという感情を学んで行く夏目。

今回はどんな出来事が起こるのでしょうか…。

「夏目友人帳 うつせみに結ぶ」あらすじ・ネタバレ

夏目はクラスメイトの弁論大会の応援に行った際、

小学生の頃の同級生・結城とばったり再会します。

 

かつて結城は自分も妖が見えるといい、

当時遠巻きにされていた夏目に話しかけてくれたのです。

 

そんな結城と山奥の滝壺へ出かけた際、

夏目は流れる水流に触れようとするのを妖に止められました。

ヒトの世なんてささいなきっかけで変わるものだ、この水の流れは

それを表しているのだから、お前みたいなものが触ってはいけないと忠告されるのです。

 

ところが結城は、滝の近くを掘ってみよう、水脈があるかもしれない、と

無邪気に言い出したのでうまく言葉にできなかった夏目は結城を突き飛ばして

それを阻止することになってしまいました。

 

それからぎこちない関係になってしまったまま、

夏目が転校してしまい結城とはそれっきりになってしまったのでした。

 

そんな昔の苦い経験を思い出していた頃、

妖に名前を返していたときに、その妖の記憶の中で

レイコと共にいた女性・容莉枝と出会います。

 

容莉枝は息子である椋雄と穏やかな日々を送っていました。

レイコの話はあまり聞けなかったものの、穏やかな親子との会話を楽しむ夏目。

その帰り道、妖の姿を見てしまいます。

帰宅し、ニャンコ先生からも妖の匂いをさせていると言われた夏目は

再度調査のためにニャンコ先生を伴って容莉枝たちの住む街を訪れます。

 

収穫は特になく帰路につく夏目。

そこでニャンコ先生の体に種のようなものが着いているのを発見し、

玄関先にそれを放置しました。。するとどうでしょう。

一夜のうちに成長し、見上げるほどの大きな木となりました。

そこにはどことなく形や色がニャンコ先生に似た実が三つなっています。

さらに、藤原夫妻にはその木のことは見えませんでした

 

ひとり(一匹?)残されたニャンコ先生は、

いつもの食い意地で見るからに怪しいその実を

ペロリと食べてしまいます。

 

その日の夜はなんともなかったものの、

翌朝ニャンコ先生は転げ苦しんでいました。

そして––––なんと三つに分裂してしまうのです。

大きさも手のひらサイズ、話すことも、元の姿に戻ることもできなくなってしまった

ニャンコ先生をどうにかするため、馴染みの妖たちに助けを請います。

 

原因を特定するために、再度容莉枝たちが住む街を訪れる夏目と、

夏目へ手伝いを申し出た友人田沼。

いなくなってしまったニャンコ先生の分裂体を探していると

なんと容莉枝の家に一匹、それも夏目たちの友人・多軌とともにいたというおかしな状況に。

 

首を傾げる夏目と田沼に、椋雄は自分が原因だと言います。

 

実は椋雄はヒトの姿を借りることのできる妖で、

咎により一つところに止まれないという性質を持っていました。

そしてその性質上、自分がいなくなれば、

その間に起こったことは関わった人々の中から全て消えてしまうのだとも。

 

ニャンコ先生の現状に責任を感じ、

容莉枝との生活を捨て、妖に戻ろうとする椋雄。

そんな椋雄を狙う式神や祓い人たちも出てきてしまって––––

 

無事ニャンコ先生は元に戻れるのか、

容莉枝と椋雄はどうなってしまうのか。

 

シン

やさしくてほんのり寂しい結末をぜひ見届けて欲しいと思います。

感想

分裂したニャンコ先生がとにかくかわいい。

その可愛さは思わず夏目もつい絆されてしまうほど。

ていん、ていん、と音がしてそうな跳ねながら動く様子はひたすらにかわいいです。

 

そしてそのニャンコ先生を元に戻そうと

夏目が学校に行っている間の犬の会の妖たちがとても面白い。

普段の鬱憤を晴らそうとしているんじゃないの?と思わせてしまうくらい

力任せの方法を試していきます。

 

例えば小さな箱にぎゅうぎゅうに詰めるとか、ニャンコ先生を入れた桶を縄で縛り、

まるで砲丸投げの玉のようにぐるぐる振り回すだとか…

一生懸命だけどどこかちょっとずれているところの微笑ましさにほっこりとしてしまいます。

 

そしてストーリー部分。

一つところには止まれない、人々の記憶にも残らない椋雄に夏目は自分の姿を重ねます。

親戚筋をたらい回しにされ、転校ばかりを繰り返していたころ。

 

けれど今は知ってしまったのです。

藤原夫妻に大切にされ、大切にすることができることのあたたかさ。

友人たちと過ごす日々の楽しさ。

その中でも田沼や多軌は夏目が妖を見ることができることも知っています。

そんな得難い友人ができたことのかけがえのなさ。

それから妖たちとの交流。

 

誰かと、何かと関わって思い出を増やしていけることが

どんなに大切なことなのか、貴重なことなのか知ってしまったのです。

 

ニャンコ先生を元に戻すことは椋雄が影響を及ぼしてしまったものたちから

その影響を回収することが必要で、それは椋雄に容莉枝との別れを選択させることでもあります。

 

自分が今大切な人たちから忘れられて、

離れなければならなくなってしまったらを考えて苦しく、悲しくなる夏目が

そう思えるようになったことにこれまでの出会いからの変化を感じて嬉しくなりました。

 

結局椋雄は容莉枝からは忘れられてしまったけれど、

何かは容莉枝の中にも残っていると信じたくなります。

 

少し切ないけれど、切ないだけじゃない

観た後にしっとりとした余韻に浸って、今、周りにある縁を大切にしたい

そう思わせてくれる映画でした。

 

原作も読み返したくなりますね。

シン

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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