ハリー・ポッターシリーズで児童文学に新たな魔法の世界を作り出したJ・K・ローリング。
今度は、主人公を青年ニュート、舞台をアメリカ合衆国のニューヨークに移し、ハリー・ポッターの世界同様で魔法の世界観を残しつつ、魔法動物中心の描写にする事で新たな魔法の世界を作り出しました。
ホグワーツで魔法のレベルを少しずつ上げて行く、ハリー達と異なり、今回登場するニュート、ティナ、クイニーと言ったキャラクターは生活の中でも魔法を使いこなす成熟した魔法使いです。
そこに魔法を使えないノー・マジのジェイコブが加わり、見所満載の作品に出来上がっていました。
今回は、こう言った個性的なキャラクターを用いることで、大人の心も掴みに来たなと感じる作品に仕上がっておりまして。
そんな本作品の魅力の一部を紹介したいと思います。
あらすじ
ニュートは旅の途中で見つけたサンダーバードをアリゾナの広大な土地に解放してあげようと考え、ニューヨークにやってきた。
通りかかった銀行の前で開かれていた集会でメアリー・ルーに絡まれるニュートは、その隙に魔法動物”二フラー”に逃げられて、騒動を起こしてしまう。
騒動に巻き込まれたノー・マジのジェイコブは誤ってニュートのカバンを持ってその場を去ってしまい、ニュートは、ティナに拘束され、アメリカ合衆国魔法議会に連れて行かれる。
しかし議会の場で、議員達に証拠の品を見せようとニュートのカバンを開けてみせるティナだったが、そこに入っていたのはパンだった。ニュートはジェイコブにカバンを持って行かれたと気づき、彼の消息を追う。
しかしニュートが着く頃には、ジェイコブは気絶していて、魔法動物が何匹か逃げた後だった。ニュートは逃げた魔法動物を追いかけるのだった。
キャスト
エディ・レッドメイン:ニュート・スキャマンダー役
魔法動物に関する執筆活動をする中でサンダーバードを発見する。サンダーバードが安全に生活できるアリゾナの大地に解放するためニューヨークに降り立つ。メアリー・ルーの集会に足を止めた隙に魔法動物のニフラーに逃げ出さ、騒動を起こす。
キャサリン・ウォーターストン:ティナ・ゴールドスタイン役
アメリカ合衆国魔法議会で、闇祓いとしての地位を再度手に入れようと、魔女や魔法使いを危険視するメアリー・ルーの集会を監視していたところに、違法に魔法を使うニュートを見かける。
ダン・フォグラー:ジェイコブ・コワルスキー役
缶詰工場で働いていたが、パン屋を開くための資金を調達するために融資の申し込みに銀行へ行ったところ、ニュートと出会う。魔法を使えない人間、ノー・マジ。
アリソン・スドル:クイニー・ゴールドスタイン役
ティナの妹で生活をともにする。毒に侵され、体調の悪いジェイコブに興味を示し、恋に落ちる。
コリン・ファレル:パーシバル・グレイブス役
魔法保安局長官で「オブスキュラスの力を秘めた子供」の捜索をクリーデンス・ベアストーンの力を借りながら秘密裏に進める。
サマンサ・モートン:メアリー・ルー・ベアボーン役
新セーレム事前協会を率い、魔女や魔法使いは実在し、危険な存在と訴える。
エズラ・ミラー:クリーデンス・ベアボーン
https://www.instagram.com/p/Bq2cbmHgfoI/
パーシバルに魔法使いにさせてやると唆され、「オブスキュラスの力を秘めた子供」探しを手伝う。
感想
主役は魔法動物
ハリー・ポッターシリーズと比較しながら見てしまう本作品。
その中で一番の違いは色々な魔法動物が出てくるところ。光り物が大好きな二フラーは、モグラのようなずんぐりしたお腹とつぶらな瞳、そしてカモノハシのようなクチバシが愛らしい。
それでいてイタズラ好き。本人はいたずらのつもりではないのだろうけれど、劇中、何度となく悪さを披露。銀行に訪れている客のカバンから次々と宝石や金貨などをくすねて行く動きは、悪いことなのにも関わらず、どこか憎めない愛嬌がある。
さらに宝石店に潜り込んで宝石を漁っている時は、ニュートが近づいてきたのに気づき置物のような真似をして、その場を切り抜けようとするズル賢さも見せ本作品の主役ではないかと思う存在感。
次に注目の魔法動物は、いつもニュートのポケットに隠れているピケット。
緑の枝に葉っぱが髪の毛のような妖精のような存在で臆病者の雰囲気は守ってあげたくなる。
ニュートがいつもポケット入れて持ち運ぶのも納得。そんなピケットも一時は、逃げた魔法動物の行方を知るために取引されてしまいそうになる悲劇が襲いかかったり、困った時に鍵を開けてくれたりと、地味に存在感を示している所に注目。
魔法動物を挙げだしたら、とっても多い・・・。
オカミー、デミガイズ、サンダーバード、ビリーウィグ、スウーピングエヴィルなど様々!
物語は二部構成
そう言った魔法動物がニュートの魔法の旅行カバンから何匹か逃げ出してしまう。
これらの逃げた魔法動物を探し出すのが物語の前半を占める。
ニューヨークという大都市の中に逃げ出した魔法動物をどうやって見つけるのだろうかとニュートの知恵とジェイコブの身を張った囮など、隠れんぼと鬼ごっこのような展開。
しかし物語が後半に入ってくると、
魔法動物ではなく、暗く破壊的な力を持つオブスキュラスを探す展開へと移って行く。
ニューヨークで繰り広げられる魔法使いの戦い
そしてついにオブスキュラスを宿った人物が見つかる。
不気味な数え歌を口ずさむ少女が、オブスキュラスを宿った人物だと思わせておいて、実はクリーデンスだったという意表をつく展開は脱帽。
そのクリーデンスが怒り狂い、オブスキュラスの姿に化けてニューヨークの建物をすごい勢いで破壊しながら地下鉄へと逃げ込んで行く場面は、魔法の破壊力の凄さを思い知らされる。
そんな破壊力を持ったオブスキュラス。それに立ち向かうニュート、さらにパーシバル。杖でシールドを作り出したり、攻撃してみたり、さらには破壊された建物を直して行ったりと、魔法の力全開の後半。
銃や兵器中心のアクション映画とは違う世界観での戦いが広げられ、やっぱりこの作品は魔法が中心の作品だったのだと再認識させられる終盤です。
善人の皮を被った悪人
なぜ、パーシバルは執拗にオブスキュラスを探し求めているのか。魔法保安局長官だからだろうか。世の中の危険を排除しようとしているのだろうか。
そう言った前向きな感じがしない、怪しい雰囲気を終始見せるパーシバル。その疑問が最後に明かされる展開は圧巻でした。
劇中、何度も名前が登場する悪名高い闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルド。
パーシバルは、実はその本人だったということを明らかにして終わる。
続編への含みを持たせて終わらせる辺りは、実に巧妙で憎い展開と言える。
不気味な歌は一度聞いたら忘れられない
さてこうした一連の流れもさることながら、個人的に印象深かった一場面を紹介。
それはメアリー・ルーの娘が口ずさむ数え歌。
青白い無表情な彼女が淡々と歌うその数え歌は不気味の一言。しかもその数え歌は決まって彼女のアップで始まるものだから、不気味さ倍増。
さらにその曲調は一度聞いたら耳から離れない、魔力に近いものがあります。
ところが不思議と、映画を見終わった後に、ついつい口ずさみたくなる魅力があり、ぜひとも注目しておきたい部分です。
突っ込みどころは「ニュートの姿勢」
最後に突っ込みたくなる場面の紹介です。
ニュートと魔法動物が中心に描かれる本作品ですが。
ニュートのアップシーンも多く登場するのだけれど、その時のニュートの姿勢がいつもなぜか「やや斜め」になっているw
いつ見ても斜めな感じで、どうしてそんなに斜めなの?と最後に思わずにはいられない。
でも実は斜めを向いているのではなく、髪型がそう感じさせているだけなのかもしれない。
まとめ
魔法動物による騒動、闇の力を持ったオブスキュラスとの戦いを柱に、その展開を盛り上げるキャラクター達。
ここではあまり触れていないですが、自分の地位を取り戻そうと必死に行動をするティナやこの作品で唯一と言っていいノー・マジであるジェイコブから見た魔法の世界に対する印象や彼に惚れ込むクイニーなど、個性豊かなキャラクターが多くて見る度に新たな部分に注目でき、何度も楽しめる内容に仕上がっている作品です。
よかったら是非見てみてくださいね。